第二話『キスだけで、全部忘れた』

キス大好きな
白藤です
一夜だけの、濃密な彼女
第二話『キスだけで、全部忘れた』
「今日は…いっぱいキスして」
彼女はそう言って、
ベッドの上でゆっくり腕を広げた。
それだけで、何もかも忘れた。
仕事のことも、疲れも、明日の朝も。
彼女の唇はふわりとして、
触れた瞬間、舌を誘うように小さく開く。
遠慮せず舌を差し込むと、
彼女の長い舌が奥からぬるりと絡んできた。
ねっとりと絡む、深いキス。
何度も唇を吸われて、
頭がぼんやりしてくる。
気づけば、彼女の柔らかな胸を揉んでいた。
ふわふわで、まるで湯気をまとった綿菓子のような乳房。
指が沈み、手のひらが甘く包まれる。
彼女が脚を開いたとき、
その間から、ゆるく熱が漂ってくる。
挿れた瞬間、俺の腰が勝手に震えた。
「ゆっくり、ね…」
優しくそう言われ、
深く沈んでいくと──
お尻がきゅっと締まって、
奥で彼女の声がぴくりと跳ねた。
一度きりのはずなのに、
抜いたあと、
彼女の匂いも体温も、まだ身体に残っていた。
「また、キスだけでもしに来てね」
笑った彼女の唇が、
たまらなく恋しくなった。
おしまい*゜
白藤